おいらが真人間になるまで

珍しく、裏垢からの転載。

まぁ自伝みたいなもんです。

長いので、時間ない方は避けといた方が無難です。

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おいらは多分、両親ともから全く愛されずに幼少期を過ごした。母親は過干渉の典型だったが、自分はそれが愛ではなく、ままごとのような自己満足であったことを見抜いていた。父親は、もともと家族愛なんか全く持ってない奴だったw おいらは物心ついたころから、親に甘えた記憶というのが一切無い。いつも不安で、精神的に孤独な少年だった。幼少期に親から充分な愛情を受けずに育った子供は、自分に自信のない、人を愛することを知らない人間に育つという。その、一番極端な例だと思ってもらえればいいだろう。

覚えているのが、小学校2年生くらいの時。おいらはいきなり、一生結婚なんて出来ないと思った。本当のおいらを知ったら、この世の誰ひとりたりとも、おいらのことを好きになんかならないって。そりゃそうだ、おいら自身がおいらのことを大嫌い。結婚って、本性を晒しあうことだと本質的に悟ったおいらは、生涯独身を小学校2年生で覚悟したwww

ところがこの少年は、学校へ行くとかなりの人気もの。よくある素晴らしく運動が出来る超人気者には及ばないものの、いわゆる二番手集団の中心人物として、毎日友だちと楽しく過ごしていた。孤独を抱えながら、表面的には極めて明るい子だった。通信簿には常に「落ち着きが無い」と書かれ、ともかく騒ぐw 学芸会でおいらが中心になって企画した「ルンペン三世」の劇はバカ受けで、まぁ誰もが心にそんな闇を持つ子供だとは思わなかっただろう。

中学校に入ると部活がある。バスケット部に入ったおいらは、何をやっても頂点を目指すという変な性格から運動に猛烈に頑張り、突如常に体育が5段階評価の5の人になった。残念ながら部活では成績は残せなかったが、何故か陸上方面で才能が発揮されw、中1では中学校全体の駅伝強化選手、世田谷に転校して中3では世田谷区連合陸上でバスケット部から100mハードルに出場、5位になるなど、ちょっとした運動神経を示す。中3の球技大会は作戦勝ちで全て優勝、運動会ではヒーロー。中1にはファンクラブもあった。一方、男子の上位6人が国立・早慶に入ったという世田谷区でも有数の公立中学校で、おいらは常に実力テスト学年3位の成績、なのに運動神経とそのアウトローな志向から学校唯一の不良集団の一員、しかもいわゆる「番長」に猛烈に気に入られてたので、事実上のNo.2という完全な万能人間。まぁ、これで自信を持てない奴なんか普通いない。しかしおいらは、いつも心は孤独に苛まれる、自分に全く自信のない自分のことが大嫌いな変なガキだった。

高校受験に成功し、高校時代は常に彼女が5人いる色基地外、しかし、どんな女の子も半年持たない。そりゃそうだ、彼女たちは誰一人、おいらから一切愛されなかったんだから。なにせおいらは当時、人を愛するってことがどういうことか、全く知らなかったのだから。愛しても愛しても全く返ってこない愛情に、皆傷つき、離れていった。そしておいらも、何故そうなるのか全くわからず、傷つき苦しんだ。そしてまた余計なことに彼女を補充するw。いつも5人いた。ある時その中のひとりを、初めて本気で好きになって他全員と別れたんだが、結局そのコも1年持たず、大学1年の夏、別れることになった。

その夏、おいらは今で言うキャバクラのキャッチのバイトをした。半年間で400人を入れるという凄まじい成績で、その後3年間六本木や新宿で伝説だったそうだ。まぁそれを始めて3ヵ月後位だったか、ひとりの壮絶に美しい、5歳年上の女性に声をかけ電話番号を聞いた。それまでの人生で会った全ての人の中で一番美しかった。結局お店には入らなかったが、おいらは「繋ぐ」ためにデートに誘って、何故かその夜デキてしまったw そしておいらは、彼女のためにその後バイトも辞め、2年半続いた彼女との交際が始まった。

彼女は、あまりに美しかった。どこに一緒に行ってもその場の空気が変わる。そんな彼女はガキで幼稚なおいらの自慢であり、そして何でも言うことを聞いてくれる素晴らしい彼女だった。向こうから会いたいとかどうしてくれとか一切言ってくることはないのに、おいらが会いたいといえば会ってくれ、セックスしたいと言えばセックスし、いつもいつもおいらを愛してくれた。デートは全て年上ということで彼女が持ち、あげくホテル代まで出してくれていた。後に彼女の昔話を聞くとそれは空恐ろしいもので、新宿ではどこのディスコでも有名な女の子であり、元彼は女性からポルシェを買ってもらったという伝説のあるこれまた有名な男とカップルだったという。何でそんなコがここまでおいらに?不思議に思いながらも、おいらはそんな自由で自分勝手で何一つうるさいことを言われない関係を喜んでいた。もちろん遊びたい盛り、他でも鬼のように遊んでいた。それについても、彼女は知ってか知らずか、何一つ言うことはなかった。誰が見ても、彼女は「見返りを求めない愛」をひたすらおいらに注いでくれているように見えただろう。おいらも、それが当たり前になった。でも、愛を知らないおいらは、それが「見返りを求めない」とかどうとか以前に、愛というものだと、全くわかっていなかった。ただの、大変都合のいい関係だった。

ある日ホテルを出るときの支払のあとに、彼女が財布の中を見て困った顔をしていた。ふと、彼女の財布の中身に、札が一枚も無いのが見えた。どういうわけかこの時初めて、おいらは彼女に愛されているって実感した。忘れもしない、生まれて初めて、おいらが愛というものを直感的に理解した瞬間。この日からだろう、おいらは、生まれて初めて人を愛し始めた。もちろん、その彼女を。それまでに、もう1年半の月日が経っていた。

ところが、そんなおいらはもちろん当時、まだ人を愛した経験は全くなかった。愛情をどう伝えるかも全くわかっていない。自分の中に初めて芽生えた愛情というものを実感しつつも、それまでと態度は変わらない。そもそも、それまでも親も含めて人に甘えるということを全くしないおいらは、愛情の伝え方というもの、もっと言うと感情の伝え方を全く理解していなかったのだろう。彼女と知り合って2年半が経った頃、彼女は突然、大阪に帰ると言い出した。能天気なおいらは、「ああ、遠距離恋愛か」と動じないという、ほとんど基地外だった。彼女の傷はいかほどだったろう。2年半もの間、全く返ってこない愛情に苦しみながら、あげく大阪に帰るという申し出を、おいらは何も疑問すら湧かずに了承した。おいらにおいて、そこにあったのは、彼女の愛情に対する徹底的な信頼。いわば見返りを求めない愛への確信。でも、おいらが乱暴に踏みにじってしまった、彼女の愛情は、決して見返りを求めないものでもなんでもなく、彼女の果てしない、強い愛情と心に支えられた、ただの尊い自己抑制だった。

そして、その後すぐに彼女はおいらから去り、おいらは初めて知ったのだ。彼女の、莫大な愛情の量と、壮絶な苦痛を。見返りを求めない愛の如く見えるその「現象」の裏に、どれだけ強い忍耐と傷があったのか。返ってこない見返りをおいらに言葉や行動で一切求めることなく、彼女はおいらを愛し続けた。そして、おいらが初めて愛情というものを知った時、彼女は、多分限界を超えたんだと思う。おいらは完全に誤解していた。彼女は、間違っても趣味で見返りを求めずおいらに愛情を注いでくれていたわけじゃなかったのだ。でも、愛ですら初めて知った当時のおいらは、もう完全に誤解していた。彼女は、見返りを求めていないんだと。ひたすら、バカだった。ひたすら、愚かだった。人生初の愛を失ったおいらは、その後自殺しようとまで考えて、その準備をしていた深夜3時、何故か滅多に連絡の来ない先輩からのマージャンの誘いの電話で、異変に気が付いた先輩に3時間諭されそれをやめた。朝の6時だった。でも、死んでしまいたいほどに苦しかった。その苦しみから、もう得られない愛情への渇望から、彼女の苦しみも想像できた。ますます、地獄だった。3ヶ月ほど、部屋からほとんど出なかった。彼女のことが、ただただ、愛おしかった。もう二度と会うこともない彼女に、償おうにも償えない2年半に、果てしない自己嫌悪に、本当にこの世からいなくなってしまいたかった。

完璧がこの世に存在しないように、見返りを求めない愛もこの世に存在しない。でも、そうあらんと努力することの尊さ、気高さを、おいらは一番最初の「愛」との出会いで知った。見返りを求めてしまうからこそ、人は苦しみ、それでも愛し続けようとすることを選んだ時、人は耐え、そこに見返りを求めないかに見える愛が初めて実現する。おいらを真人間にしてくれるきっかけをつくってくれた、KIMIKO。おいらは生涯、感謝の気持ちを忘れない。そして、彼女に愛することを教えてもらったおいらは、あえて言いたいんだよ。人が見返りを求めてしまう存在だからこそ、だからこそ、愛は尊いんだと。
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by ryouchanxp | 2008-05-10 16:58 | 恋愛論
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